薬師如来坐像（常田地区）

やくしにょらいざぞう（つねだちく）

1基

彫刻

彫

加東市常田地区

加東市秋津912

1985年（昭和60年）3月27日

像高90センチメートル

1568年（永禄11年）

普段は公開していません。

左手に薬壺（やっこ）を持ち、右手は臂（ひじ）をまげ5指を伸ばして掌を表にし、結跏趺坐（けっかふざ）しています。首をさしこみ、頭部・体部はともに前後にはぎ、これに両肩、膝前もはいでいます。両眼は彩色し、顔部には現在黒い古彩色のあとがみられます。漆箔（しっぱく）面のいたみはありますが、そのほかは保存状態はおおむね良好です。胎内（たいない）の墨書には「此御本尊造立之作者関東常陸国之住貞守橋本坊権少僧都良泉（ごんのしょうそうずりょうせん）。千時永（えい）十一年戌辰十二月九日」とあります。この他にも長文の銘があり、当像が造立されたいきさつなどがよくわかります。銘文のはじめの方に播磨国加東之郡東条吉田本庄河北恒枝（ほんじょうかわきたつねえだ）村大野寺住吉之神宮寺之御本地薬師如来像…」とあります。

年記の永は永禄（えいろく）に相当し、この像の作風も1568年（永禄11年）頃に一致します。