柱祭(黒谷地区)

更新日:2018年09月07日

柱祭(黒谷地区)について

読み方(ふりがな)

はしらまつり(くろだにちく)

指定内容

無形民俗

指定記号

無民

保存団体

加東市黒谷地区

指定年月日

2013年(平成25年)3月28日

由来または沿革

不明

公開・非公開について

毎年8月16日午後10時ごろに公開しています。

その他

加東市黒谷地区では、毎年8月16日に「柱祭」が行われます。この行事は村を二つに分け、1年交代で担当します。まず、8月7日に「山切り」と称して、「柱祭」に用いる材料が準備されます。8月16日は準備した材料を用いて「やま」を造ります。「やま」の芯柱は長さ約7メートルの松で、その芯柱に八ツ割木を巻き、その周りにさらに芯巻を揃え、太い藤蔓で三か所を堅く縛ります。その後現場に運び、三方から突っ張りをして倒れないように支えます。漏斗(じょうご)を八ツ割木に斜めに差し込み、芯巻を八方に広げ枯れ松葉、檜葉、太い青竹を入れ、雑木の小枝(挿枝)を差し入れ、一本の大木のように仕上げられます。そして、芯柱の頂上に御幣を括り付けます。この完成したものを「やま」と呼んでいます。

行事は若宮八幡宮の境内で夕方から地区の盆踊りがあり、続いて本殿前で「柱祭」斎行の神事が行われます。神事では地区の役員が参列し、宮司による修祓(しゅうばつ)、祝詞奏上、役員による玉串奉奠があり、最後に神殿から「やま」にうつす火を松明に採ります。神主の先導で松明を持った当番が「やま」へ火を入れます。火はいっきに「やま」の中をめぐり、勢いよく燃えだすと、炎は高く上がります。

このように、黒谷の「柱祭」は共同体の行事として連綿と受け継がれてきたものです。「やま」を造るのに用いる材料(木の種類)、そして材木と材木とを結ぶ藤蔓の結び方をはじめとして、そこには古くからの習慣や伝統的な技術を見ることができます。切り出した木材を藤蔓で組み上げる素朴さは古様を伝えています。

加東市の近隣市町において、加東市黒谷地区の「柱祭」のように共同体の送り火を伝承しているところは管見に及んだ範囲で確認できず、また、兵庫県下においても決して多くを数えない貴重な民族事例であるところから、加東市黒谷地区の「柱祭」は加東市指定無形民俗文化財としての価値を有しています。

 

(8月7日 山切り)

芯柱:長さ約7メートルの松、最下部の枝が車輪上に分岐するもの。

八ツ割木:長さ約2メートルのもの。8つにミカン割りする。

漏斗(じょうご):長さ約2メートルのもの。8つにミカン割りにし、一端を尖らす。

芯巻:径5センチメートル、長さ6メートルの雑木30数本。

挿枝:雑木の小枝。長さ約2メートル。多数。

突張:先端が二股の雑木。長さ約3メートルのもの3本。

松明:長さ約60センチメートルのもの。

珍宝:長さ約70センチメートル、径15センチメートル。一端を藤蔓で縛り、松明を差し込む孔をあける。

 

以上の材料は境内及び馬場に広げて乾燥させる。

 

藤蔓:径5センチメートル、長さ4メートルのもの4本。

 

(8月16日 山建て)

芯柱を八ツ割木を巻き、その廻りに芯巻を並べ、藤蔓で3箇所を縛り、現地にて運び建て、3方より突張りで支える。

漏斗(じょうご)を八ツ割木に差し込み、芯巻を八方に広げ、松葉・檜葉、青竹を入れ、挿枝を挿して、1本の大木のように仕上げ、芯柱に御幣を付けます。

 

午後10時頃、若宮八幡宮本殿で祭典、採火し、山に火を付けて、柱祭を終わります。

この記事に関するお問い合わせ先

加東市 教育委員会 教育振興部 生涯学習課 文化財係
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