田中薬師堂の仏像群(田中地区)

更新日:2019年02月19日

田中薬師堂の仏像群について

読み方(ふりがな)

たなかやくしどうのぶつぞうぐん(たなかちく)

員数

7躯

指定内容

彫刻

指定記号

所有者

加東市田中地区

指定年月日

2016年(平成28年)3月30日

制作年代

1薬師如来坐像

不明

2 観音菩薩坐像

不明

3天部立像

平安時代後期(11世紀)と思われます。

4如来立像

平安時代後期(12世紀)と思われます。

5天部立像

平安時代後期(11世紀)と思われます。

6地蔵菩薩立像

平安時代後期(12世紀)と思われます。

7如来立像

平安時代後期(12世紀)と思われます。

規模または寸法

1薬師如来坐像

像高1250ミリメートル

2観音菩薩坐像

像高1320ミリメートル

3天部立像

像高1210ミリメートル

4如来立像

像高870ミリメートル

5天部立像

像高1250ミリメートル

6地蔵菩薩立像

像高335ミリメートル

7如来立像

像高は280ミリメートル

公開・非公開について

普段は公開していません。

その他

田中薬師堂内の東壁に沿って幅3間、奥行き1間の須弥壇を設け、その上に奥行きがやや狭い宮殿を設置しています。この宮殿は3間に板壁で区切られ、各間には観音開きの折戸が設けられています。

宮殿の中央間に中尊である大日如来坐像(県指定文化財)、その後ろに阿弥陀如来立像(市指定文化財)が祀られ、左の間には薬師如来坐像(市指定文化財)、その奥に天部立像(市指定文化財)やその腕部など、右の間には観音菩薩坐像(市指定文化財)と天部立像(市指定文化財)やその腕部などが収められています。

大日如来坐像(県指定文化財)

大日如来坐像(県指定文化財)については、県指定文化財のページに記述されていますので、ここでは省略します。

1薬師如来坐像

像高1250ミリメートルを測る一木造り(いちぼくづくり)で、耳前から前後に割矧ぎ(わりはぎ)し、内刳り(うちぐり)を施しています。頭部には螺髪(らほつ)を刻み、耳朶(じだ)は環状としています。通肩の裳を纏い、右手は施無畏印(せむいいん)、左手を与願印(よがんいん)とし、左掌には薬壷(やっこ)が配置され、右足を上に結跏趺坐(けっかふざ)した通例のものです。

2観音菩薩坐像

像高1320ミリメートルを測る一木造り(いちぼくづくり)で、耳前から前後に割矧ぎ(わりはぎ)し、内刳り(うちぐり)を施しています。頭部には髻を結い、耳朶(じだ)は環状としています。天冠台は大日如来坐像(県指定文化財)と同様に花形文を付加した天冠台を設け、作風の共通性が見て取れます。偏袒右肩の裳を纏い、右足を上に結跏趺坐(けっかふざ)しています。右手は第1指と第2指を念じ、左掌には未果敷蓮華を持っています。

3天部立像

観音菩薩坐像(市指定文化財)の後側に祀られた像です。頭頂部から足柄までを一材で制作する一木造り(いちぼくづくり)の天部立像で、内刳り(うちぐり)はありません。像高1210ミリメートルを測り、左斜め前方に樹心は離れています。尊顔の彫りは浅く、彫眼で閉口し、躰部には甲冑を着し、裳裾は正面で膝下、背面では足柄まで垂下しています。腰を僅かに左に振り、右足先を外方に向けています。全体として彫りは浅いです。両手・右足柄は欠損していますが、現在は別材の左手が差し込まれています。天衣は後補です。平安時代後期(11世紀)の作であろうと思われますが、台座まで一材で制作されており古様を残しています。

4如来立像

大日如来坐像(県指定文化財)の後側に祀られています。像高870ミリメートルを測り、頭頂部から台座までを一木(いちぼく)で刻んでいます。樹心は左肩から裾左躰内にもっています。尊顔や衣紋の彫りは浅く、躰部の厚みもありません。両手首が欠損しているため、像名は明らかにできません。自立させる為か後補の柄材が埋め込まれています。製作時期は平安時代後期(12世紀)と思われます。

5天部立像

薬師如来坐像(市指定文化財)の後側に祀られている天部像です。頭頂部から足柄までを一材で制作する一木造り(いちぼくづくり)で、内刳り(うちぐり)はありません。像高1250ミリメートルを測り、右体側前方に樹心は離れます。尊顔の彫りは浅いですが、憤怒様の彫眼で、開口し、躰部には甲冑を着し、裳裾は正面で膝下、背面では足柄まで垂下しています。腰を僅かに右側に振り、左足先を外方に向けますが沓を含め後補です。両臂は別材のものが残されています。『3 天部立像』と対になると思われ、やはり平安時代後期(11世紀)の制作であろうと思われます。

6地蔵菩薩立像

一木造り(いちぼくづくり)で、像高335ミリメートルを測ります。頭部に肉髻の盛り上がりがなく、躰部を包む衣の様子から地蔵菩薩立像と考えられます。なお、躰部に厚みがないところから、平安時代後期(12世紀)の作例であろうと思われます。

7如来立像

一木造り(いちぼくづくり)で像高は280ミリメートルを測ります。頭部に低い肉髻の痕跡が見られること、右前に見られる衣紋の形から如来立像と考えられますが、像名は明らかではありません。なお、躰部に厚みがないところから、制作年代は平安時代後期(12世紀)であろうと考えられます。

なお、肉躰部にみられる穴は節穴です。

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