伝染性紅斑(リンゴ病)に注意

更新日:2024年12月20日

妊娠初期における感染は胎児水腫や流産などのリスクが増加

伝染性紅斑が感染拡大、産婦人科関連学会らが妊婦に注意喚起しています

 インフルエンザとコロナが流行していますが、その陰に隠れて伝染性紅斑(リンゴ病)も流行しています。

 2024年第48週(11月25日~12月1日)の定点当たりの報告数は0.89と、直近で流行した2019年初めのピークの報告数1.00に届く勢いです。近年の流行の傾向から、来年初めまで流行が続くことが危惧されます。

 伝染性紅斑は妊婦が感染すると流産のリスクや胎児への影響が懸念され、日本産婦人科感染症学会や日本産科婦人科学会、厚生労働省が注意を呼び掛けています。

リンゴ病報告定点

伝染性紅斑定点当たりの報告数推移(国立感染症研究所の感染症発生動向調査感染症週報を元に一部改変)

伝染性紅斑(リンゴ病)とは

 現在関東を中心に流行しており、年明けには全国的な流行が危惧されています。

 伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による小児を中心に流行する発疹性疾患です。左右両方の頬にリンゴのように真っ赤な紅斑ができることから、一般に「リンゴ病」と呼ばれ、他に手足や胸腹背部に発疹が現れることもあります。この発疹は約1週間で消失しますが、長期化したり、一度消えた後に再発することもあります。

リンゴ病 ふきだし

成人の場合は頬の発疹は少なく、手足などの皮疹もかすかに淡いレース状で目立たないことが多く、微熱とともに関節痛をはじめとする全身通を感じるのが特徴で、症状による診断が難しいです。

 診断には伝染性紅斑患者との接触の有無やこどもと接する機会の多い職業かどうかなどの問診に加え、血液検査により感染を判断します。妊婦の場合、かかりつけ医での血液検査に加え、超音波検査を受けることをお勧めします。

 日本人妊婦におけるヒトパルボウイルスB19のlgG抗体保有率(既感染と考えられる率)は20~50%に過ぎず、妊婦がはじめて感染した場合、流死産や子宮内胎児死亡が6%、胎児貧血や胎児水腫を引き起こす確率が4%の危険性があるとされ、妊娠後期よりも妊娠初期の感染がこれらのリスクを高めます。

 こまめな手洗いやうがい、マスクの使用などで、感染を防ぐよう心がけましょう。

手洗いうがいマスクをした男児

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