平成23年度施政方針

更新日:2016年03月20日

山よし!技よし!文化よし!

夢がきらめく☆元気なまち 加東

加東市長 安田正義

施政方針(要旨)

はじめに

 平成23年度の予算並びに諸議案のご審議にあわせて、私の市政に対する所信の一端を申し述べ、議員並びに市民の皆さまのご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 私が、第2代加東市長として、市政の舵取り役を努めさせていただくことになってから、10か月が経過しました。

 その間の平成22年を振り返りますと、京都・清水寺で毎年発表される「今年の漢字」では、夏の猛暑などを反映して「暑(しょ)」、「暑い」という漢字が選ばれました。

 また、宇宙科学の分野では、小惑星探査機「はやぶさ」が1万度という大気圏への突入温度、「暑さ」に耐えて地球に帰還しましたが、地球に近接する軌道を持つ小惑星「イトカワ」の天体表面に着陸する快挙により、岩石質微粒子を持ち帰るという科学史に残る成果がありました。

 私は、出羽国米沢藩の第9代藩主・上杉鷹山公の「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」を座右の銘としていますが、昨年の私にとっての「今年の漢字」を選定するとすれば、まさに「事を為す」の「為す」、「為(ため)」という漢字であったと思っています。

 そして、平成23年度からは「為せば成る」の「成る」、「成果をあげるの成(せい)」が「今年の漢字」になるように取り組んでいかなければならない、そう決意を新たにしています。

 昨年、東洋経済新報社から発表された「2010年度 住みよさランキング」では、一昨年と同様に兵庫県下では芦屋市に次いで第2位、全国では第38位から第31位に躍進するという高い評価を受けました。これは、加東市の「快適度」が特に優れているとされたものですが、先人の英知やまちづくりに対する情熱の結晶であると、諸先輩に心から感謝しています。

 今後は、市民の皆さまが本当に「住んで良かった。これからも住み続けたい。」と実感できる、そして、「成果」が目に見えるまちづくりが大切であると考えています。

 そういった意味から平成23年度は、まちの活力を示す指標の一つである「人口」、これをキーワードとして、様々な施策を展開していかなければならない、という想いの中で、先日、兵庫県が発表した「平成22年国勢調査」の県内分の速報値において、41市町のうち平成17年の前回調査と比較して人口が増加したのは10市町だけでした。北播磨では唯一、加東市のみが前回調査の39,970人から40,191人に、221人増加しました。大変喜ばしい結果として受け止めています。

 そして、この結果を維持し、さらに発展させていくには、市民の各層をはじめ、各種団体や企業、兵庫教育大学などあらゆるセクターとの新たなパートナーシップに基づいたまちづくりに取り組んで、「人口の流入と定住化を進め、支えあいと活力のある社会」を目指していかなければなりません。

 先ほど紹介した小惑星探査機「はやぶさ」のふるさと地球への帰還は、大気圏突入の想像を絶する「暑さ」だけでなく、様々な苦難を乗り越えなければならない、常に前へ前へと進む旅でありました。

 私もその「はやぶさ」のように「前へ、前への精神で」、よりポジティブに、積極的に、強い意志を持って、成果を創出していく所存です。

 そのために、これまで取り組んできた3つの重要課題を更に推進していきます。

行財政改革の推進

 まず、一つ目の重要課題は「行財政改革の推進」です。

 国の平成23年度の経済見通しは、「世界経済の緩やかな回復が期待される中で、予算、税制等による新成長戦略の本格実施等を通じて、雇用・所得環境の改善が民間需要に波及する動きが徐々に強まることから、景気は持ち直し、経済成長の好循環に向けた動きが進むことが見込まれる。」と示されました。

 しかし、地域を取り巻く社会経済情勢は依然として厳しく、加東市の財政状況は、主要な自主財源である市税の伸びが期待できない中で、合併特例債の活用期限である平成27年度が間近に迫るとともに、地方交付税の優遇措置も平成28年度から段階的に打ち切られるため、それまでに、経常的な歳出を着実に縮減するとともに、しっかりとした財政基盤を確立することが喫緊の課題と認識しています。

 このような状況を踏まえ、引き続き行財政改革に取り組んでいく必要があることから、その指針となる第2次行財政改革大綱の策定を進めており、間もなく公表する運びとなっています。

 その第2次行財政改革では、これまでの基本目標や精神を引き継ぎながら、「行政経営の視点」を新たに加え、民間の優れた経営理念や経営手法を積極的に取り入れて、市民の満足度が向上するように市民の視点に立って、「成果」を重視した行政活動を展開していくこととしています。

 また、「公共施設の適正化」を第2次改革の最重要課題に位置付けています。これは、市が保有する公共施設の数量や提供するサービス内容を、人口4万人の市としての適正な水準となるように取り組んでいくものです。あわせて、公共施設の大規模な整備・改修は、費用対効果を見極めて計画的に実施し、施設を適切に維持管理していくことが重要であると考えています。

 そして、子育て支援や高齢化施策の実施、医療の確保・提供など、社会保障に対する需要の高まりに対応するために、費用対効果を見極めて、事業を選択し、限られた財源を集中・重点化していくことが求められています。

 平成21年度から事務事業評価を導入し、事務事業のスクラップアンドビルドに取り組んでいますが、平成23年度では市民をはじめとした外部から事務事業の是非やあり方を問う「事業仕分け」を9月25日に予定しています。

 そして、都市計画税は、平成23年度から税率を0.3%から0.2%に引き下げるとともに、都市計画税と土地利用の規制や負担の公平性の観点から、新たな課税区域を設定していきます。

 さらに、政府が進める「地域のことは、地域で決める」という地域主権改革により、地方公共団体は自ら考え、自らの責任における行動を求められる中で、行政需要も複雑・多様化している現状から、迅速かつ的確に市民サービスを提供できる職員を育成するとともに、時代に適合した組織・機構に見直していきます。

 一方、歳出の削減だけでなく、収入増や歳入確保の取組も第2次行革の重要課題と位置付けています。具体的な施策としては、企業誘致はもとよりケーブルテレビの情報通信基盤を活用した新たなサービスの展開や市内に多数あるゴルフ場の活性化、施設のネーミングライツなどによる財源の確保について、検討していきたいと考えています。

 庁舎の統合については、平成23年度において庁舎の基本実施設計を行うことにより、統合に向けて更に準備を進めていきます。

安全、安心のまちづくり

 二つ目の重要課題は「安全、安心のまちづくり」です。

 まず、消防・防災対策ですが、幸いにも加東市においては、平成16年の台風23号以降大きな被害は発生していません。また、平成22年中の火災の発生件数は、過去5年間で最少の22件となりました。

 しかし、火災や地震、台風、豪雨はいつ発生するか予測できません。平素から、消防団や自主防災組織の活動を支援し、地域の自助・共助による総合的な防災力を高めていくとともに、安全・安心ネットやケーブルテレビなどの情報網の整備、救急・救助体制の充実、そして、防災資材の計画的な備蓄などにより、被害を最小限とするように備えを整えていきます。

 また、近年の局地的な大雨など河川浸水に対する防災対策として、国土交通省の加古川河川監視カメラのライブ映像がケーブルテレビで配信可能となりました。これまで以上に迅速・的確に災害時の情報を収集し市民等に提供することにより、防災体制を強化していきます。

 さらに、災害発生時の児童・生徒の安全と近隣住民の避難場所を確保するため、学校施設の耐震補強工事を最優先事項として、安全・安心な学校づくりを重点的に進めてきました。

 その結果、北播磨地域で最も早く、今年の3月末に、学校施設の耐震化率100%が達成できると見込んでいます。

 また、消防の広域化については平成23年度から、西脇市、加西市、多可町とともに「北はりま消防組合」を設立し、新たな体制により運営していきますが、加東消防署は引き続き市民の生命・財産を守るために、消防、防災、救急活動の拠点としてその役割を果たしていきます。

 交通安全対策では、平成22年中に加東市内で発生した交通事故は、前年から33件増加し1,755件でした。また、高齢者の死亡事故が増加していることから、交通安全教室の開催や交通ルールの遵守に向けた啓発活動を積極的に展開し、交通事故ゼロのまちを目指していきます。

 地域の防犯対策では、空巣や車上狙いが依然として多数発生し、特定の会社を名乗り訪問先の家屋に上がり込んで現金を盗むなど新種の事件も発生しています。

 そのため、夜間の安全を守る防犯灯を計画的に整備するとともに、地域主体の防犯パトロールや見守り活動などとの連携強化により地域ぐるみでの防犯活動を推進し、犯罪のない安全なまちを目指していきます。

 環境対策では、地球温暖化など地球規模での環境問題への取組が重要度を増しています。平成21年度から「加東市環境基本計画及び行動方針」の策定を進めてきましたが、いよいよ平成23年度から実行・実践段階へと移行します。

 その一つとして、家庭からのCO2を削減するために、市内での居住用の建物に太陽光発電システムを設置する個人に対して、その費用の一部を補助することとします。

 さらに、市民・事業者・行政の三者が一体となって、「環境の保全と創造」に努め、持続可能な社会づくりを目指していきます。

 次に、健康増進、健康づくり事業では、市民運動として定着してきた「サンサンチャレンジ」を引き続き実施し、無理のない安全な減量により、心臓疾患や脳血管障害、糖尿病などの生活習慣病の発症に大きく影響している内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)の減少に取り組みます。

 また、少子化対策・子育て支援の一環として、妊婦健康診査費用やヒブワクチンなどの任意の予防接種費用の助成をより充実・拡大し、子どもの健やかな成長を妊娠期から支援します。

 あわせて、公立保育所においても休日保育や一時保育を開始し、児童館の運営やつどいの広場事業の充実、さらに、アフタースクールの運営やファミリーサポート事業の充実とあわせて、核家族化や働く女性の増加などに対応した子育て支援策や環境整備を進めていきます。

 高齢者や障害者福祉は、福祉関係団体やボランティアの方々と連携して、地域福祉の充実と質の向上を目指すとともに、新たな取組として、障がい者に対して就労機会の場の提供による就労体験を通して社会との交流を促進し、自立した日常生活や社会生活が営めるように支援していきます。

 また、福祉タクシー事業では、対象者の拡大として高齢等を理由に運転免許証を返納された65歳以上の方を対象者に追加します。また、より利用者のニーズにあった制度とするために、利用券単価を500円として申請月に関係なく年間30枚の利用券を一括交付し、1回の乗車で複数枚使用できるように改正します。

 発達障害児については、早期の療育や支援により多くの生活能力を獲得できるため、早期発見、早期支援が特に重要となっています。

 そのためには、保健・福祉・医療だけでなく、保育所や幼稚園、教育関係部署で関わる従事者が発達障害を理解し、地域での緊密な連携のもと連続した支援が必要なことから、県の新規事業である「発達障害児の早期支援事業」のモデル都市採択を受けて、就学期へスムーズに移行できるように、支援体制を強化します。

 加東市民病院は、市民の皆様が安心できる医療を確保・提供するために、計画的に施設の環境と高度医療機器を整備しており、平成22年度には医療の質と患者サービスの向上を目指して、北播磨地域の公立病院では2番目となる電子カルテシステムを導入しました。

 医師不足の中で厳しい病院経営となっていますが、地域の基幹病院としての役割や使命を果たすとともに、今後の北播磨保健医療圏域での医療提供の動向を見極めながら、近隣病院などとの役割分担に基づいた連携を進めていきます。

産業基盤の充実

 三つ目の重要課題は「産業基盤の充実」です。

 北播磨地域の企業や事業所が予測する平成23年度の景気動向は、国の経済見通しに相反して、景気回復の目処が立たない大変厳しい予測となっています。

 このような状況を踏まえ、市の経済の現状と課題を分析し、直ちに実行すべき施策の提案や中・長期的な指標となる経済戦略案などを取りまとめた「地域経済活性化基本計画」を産学公人材イノベーション推進協議会の幅広い人材との連携により策定します。

 また、企業誘致については合併以後、ひょうご東条ニュータウンインターパークに13社の企業進出があるなど一定の成果を得られていますが、雇用や自主財源の確保、地域産業の活性化の観点から、特に若い世代の勤労者の定住促進なども含めて推進体制を再構築し、取り組んでいきます。

 市の基幹産業である農業分野では、農業用施設の補修期を迎えつつあります。農業用施設の整備については、平成23年度をもって「農地・水・環境保全向上対策事業」が終了することから、支援や補助のあり方を含めて、将来的な整備計画の策定を進めていかなければなりません。

 また、地域の誇りである「酒米山田錦」については、情報発信を強化するとともに、日本酒の消費低迷に対してJAみのりや酒造メーカーとの連携を強化し、酒米の販路拡大に取り組んでいきます。

 観光分野では、市の自然や歴史、芸術文化などの豊かな資源を活用するとともに、「第23回義士親善友好都市交流会議(忠臣蔵サミット)」やNHKの「新兵庫史を歩く」などの開催を通じて加東市を全国にPRし、地域の活性化や観光振興につなげていきたいと考えています。

 次に、地域情報化の拠点で、情報発信基地であるケーブルテレビ事業は、市の強みであり大きな魅力となっています。

 しかし、民間事業者の進展により今後、サービスの競合が予測されることから、ケーブルテレビの持つ多くの機能をまちづくりや市民生活に活かしていく方策、例えば、高齢者や子どもを対象とした見守り支援サービスや、インターネットユーザーの利用スタイルに応じたコースの設定などをプロジェクト・チームで検討し、市民から必要とされるケーブルテレビ事業としていきます。

 そして、快適な都市基盤形成では、住み良い生活環境と質の高い都市的機能を備えた基盤整備を進めていきます。

 その中で道路ネットワークは、市民の暮らしや経済を支える社会資本であり、特に懸案となっていました都市計画道路「滝野梶原線」(、滝見橋)の整備について本格的に着手し、早期の完成を目指して取り組んでいきます。

 また、道路の持つ多面的な機能を発揮させるため、バリアフリー化をはじめとしたユニバーサルデザインを考慮しつつ利便性・快適性・安全性を高めるよう計画的に整備していきます。

 以上、3つの重要課題を念頭に、平成23年度の主な施策について、市総合計画のまちづくりの政策体系に基づく「6つの推進プラン」に大別し、その概要をご説明申しあげます。

6つの推進プラン

 それぞれの推進プランは、

1 はぐくみ 「教育・文化・スポーツ」の推進プラン
2 やすらぎ 「環境・交通安全・防災防犯」の推進プラン
3 やさしさ 「子育て・保健・医療・福祉」の推進プラン
4 ゆたかさ 「産業基盤・地域活力」の推進プラン
5 うるおい 「都市基盤・情報・道路交通」の推進プラン
6 ささえあい「人権・コミュニティ・行政経営」の推進プラン

 の6つです。

はぐくみ 「教育・文化・スポーツ」の推進プラン

 最初に、第1のプラン“はぐくみ"「教育・文化・スポーツ」の推進プランです。

 まず、教育分野では、教育基本法の規定により「加東市教育振興基本計画」を策定し、今定例会に上程しているところです。

 平成23年度からは、この計画に掲げた基本目標、「学びから新しい自分づくりと地域づくりを目指す加東市に!」の実現に向けて、教育行政を運営していきたいと考えています。

 そして、学校教育では、学習指導要領の改訂を踏まえ、確かな学力の定着や他者との関わりの中で思いやりや命を大切にする豊かな人間性の醸成、健やかな体を育成し、学校、家庭、地域が一体となった教育を推進します。

 道徳教育では、道徳の時間を基本に、学校の教育活動全体を通じて子どもたちに自尊感情や自他の生命の尊重、公共の精神や規範意識など道徳性を高めるように、「加東遺産めぐりの旅」など、体験活動の充実により、伝統や文化を尊重し、ふるさとを愛する心を育んでいきます。

 子どもたちに「確かな学力」を身に付けさせるために、電子黒板などを活用したICT教育を積極的に推進し、質の高い学習を実践するとともに、学習チューターなど個に応じた学習体制の充実により、基礎的・基本的な知識・技能と思考力・判断力・表現力等をバランスよく伸ばし、主体的に学習に取り組む態度を養います。

 特別支援教育では、障がいのある子どもたち一人ひとりの教育的ニーズを把握し、個別の指導計画に基づいて適切に指導・支援します。

 また、学校評価により学校運営の改善に取り組むとともに、オープンスクールや積極的な情報公開により、開かれた信頼される学校づくり、さらに、ネット見守り隊の取組強化など、安全・安心な学校づくりをさらに推進します。

 兵庫教育大学との連携については、学習チューター制度や各種研修会で、兵庫教育大学の人材を積極的に活用するとともに、心の教育に関する実践的研究など共同研究に取り組み、子どもたちの自尊心の育成に努めます。

 学校施設については、国の「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」による交付金等を活用し、きめ細かな修繕工事や学習効率を向上させるための空調設備を市立中学校に設置するなど、計画的に整備・改修します。また、市立小学校及び幼稚園の空調設備については、平成24年度設置に向けて、平成23年度に実施設計を行います。

 さらに、よりわかる授業の実現に向けて、電子黒板の導入に続き、小学校にデジタル教科書を導入します。

 学校給食センターでは、平成20年4月に「兵庫県食育衛生管理プログラム(兵庫県版HACCP:ハサップ)」の認定を受け、衛生管理システムと食品の履歴を明らかにするトレーサビリティを導入、厳しい衛生管理の下で調理し、安全な学校給食を提供するとともに、地元産の食材を数多く使用する地産地消を進め、更なる安心の確保にも努めていきます。

 青少年の健全育成では、学校や家庭、地域、そして、関係機関が一体となり、犯罪に巻き込まれないように啓発や相談業務を充実し、非行の未然防止のための環境づくりを推進します。特に、ネット犯罪から子どもたちを守る研修会や防犯訓練を積極的に実施していきます。

 生涯学習では、市民誰もが自発的意欲のもとに学習ができるよう公民館定期サークルや各種の文化団体の育成に努めるとともに、次代を担う子どもたちの健全育成と人間力を高めるため、放課後や学校休業日において異世代、異年齢の人との交流や多くの体験学習・製作活動ができる「地域子ども教室」や「小学生チャレンジスクール」を引き続き実施します。

 また、市制5周年を記念して作成中の「あったか加東伝の助かるた」は、市内の保育園や幼稚園、小学校などに配布するとともに、かるた大会などの開催を通じて、子どもたちのふるさとを愛する心を育みます。

 文化財の保護では、国宝「朝光寺本堂」の屋根葺き替えなどに助成し、地域の伝統や誇り、貴重な遺構の保持・保存に努めます。

 生涯スポーツでは、市民のスポーツ技能の向上を支援するほか、市民のコミュニティの活性化や健康増進に積極的に取り組みます。

 また、市の生涯スポーツを推進する各種体育団体や体育指導者を育成し、その活動を支援していきます。

 なお、「市民体育祭」は、地域間交流や新市の一体化を醸成する当初の目的が達成できたと判断し、平成23年度から中止することとしました。

 図書館では、蔵書及び貸出を充実するとともに、これまで休館日としていた月末日を開館日とするなど、いつでも、誰でも楽しく読書できる環境づくりに努めます。

 国際交流では、国際交流協会を中心に小・中学生などを対象にした交流を充実していきます。平成23年度はオリンピア市との姉妹都市提携30周年を記念し、市内の中学生・高校生をオリンピア市に派遣します。

 また、姉妹都市交流では、オリンピア市の環境への取組や市政全般について新たに情報を交換し、実質的なまちの国際化を進めます。

やすらぎ 「環境・交通安全・防災防犯」の推進プラン

 次に、第2のプラン“やすらぎ"「環境・交通安全・防災防犯」の推進プランです。

 まず、廃棄物処理では、ごみ減量20%を達成するために、全地区のステーションパトロールや啓発活動を充実します。また、3R(スリーアール)運動の一環であるマイバック持参運動を消費者協会や事業者との連携により更に展開するとともに、レジ袋削減についても取組を一層強化していきます。

 消費者擁護では、複雑・多様化する社会経済活動の中で、消費生活問題が深刻さを増していることから、相談事業を充実するとともに、職員及び相談員の研修並びに消費者教育や啓発事業の充実に努め、消費者被害の未然防止をより一層強化します。

 一方で、商品選択における自己責任の啓発など、自立した消費者の育成も必要であると認識しています。

 防犯対策では、地区公民館等防犯用センサーライト設置費補助制度を新たに設けるとともに、職員による青色防犯パトロールも引き続き実施していきます。

 交通安全対策では、交通規制や交通安全施設の充実を警察や道路管理者に要請するとともに、市としてもカーブミラーを設置するなど、道路状況を改善します。

 また、飲酒運転の根絶など交通ルールの遵守に向けた啓発活動や、特に、高齢者向けの交通安全教室を警察や自動車教習所の協力を得て重点的に開催し、交通安全意識の高揚と交通マナーの向上に努めます。

 防災対策では、河川整備などを含め災害発生に関連する環境の変化に伴い、「地域防災計画」や「水防計画」などを現状にあわせて一部修正するとともに、災害への備えと防災意識の高揚のために、地域ぐるみの防災訓練の実施などを支援していきます。

 また、国が整備を進めている弾道ミサイル発射情報や緊急地震速報など、対応に時間的余裕のない緊急情報を瞬時に伝達する「全国瞬時警報システム(J-ALERT:ジェイアラート)」からの情報を、ケーブルテレビの音声告知放送機能により、加入者に伝達するシステムの運用を始めます。

 次に、防災拠点の整備として今年度、防衛施設周辺整備補助事業により滝野文化会館のリニューアルが完了し、その周辺に災害時等の飲料水確保や防火水槽として機能する「飲料水兼用耐震性貯水槽」を設置しています。平成23年度では、文化会館に周辺施設の節電やエコ対策としての「太陽光発電設備」を設置するための実施設計に着手します。

 また、地域の自主防災の核となる消防団は、全国的に団員数が減少傾向にあり、地域防災力の低下が懸念されています。消防団、非常備消防の事務とあわせて、団員の確保や消防団活動の充実、地域消防機材の整備に努め、地域防災力を高めていきます。

やさしさ 「子育て・保健・医療・福祉」の推進プラン

 第3のプラン“やさしさ"「子育て・保健・医療・福祉」の推進プランです。

 まず、子育て支援ですが、放課後児童健全育成事業では、すべての小学校区でアフタースクールを実施し、長期休暇中の開設時間を拡大するなど事業内容を充実し、児童に適切な遊びと生活の場を与えて、健全な育成に努めます。

 また、ファミリーサポートセンター事業では引き続き、研修や交流会を通じ、会員のスキルアップや相互の理解を深めます。

 また、私立保育所の施設整備については引き続き支援していきます。

 そして、障害児等の保育では、兵庫教育大学と連携して市内保育所で障害児担当コーディネーターを養成し、支援体制を確立していきます。

 また、今年度増築した「やしろこどものいえ」を拠点に、子ども映画祭りやプラネタリウム、外遊びなど、子どもの健全な遊びを通じて、情操豊かな子どもの成長を促します。

 さらに、ひろば事業や絵本読み語り体感事業を実施し、親子の交流、仲間との出会いの場を提供します。

 少子化対策では、「赤ちゃん誕生祝い金」を引き続き支給するほか、父子家庭にも拡充した福祉年金と児童扶養手当も同様に支給していきます。

 妊娠・出産支援では、妊娠期をより健やかに過ごし、安心して出産を迎えられるように妊婦健康診査費用の助成額を7万円から7万5千円に引き上げるとともに、不妊治療を受ける夫婦の経済的負担を軽減するために、不妊治療に要する費用を1回5万円、年2回助成します。

 また、少子化対策の一環として、適齢期の男女の出会いの場を提供する「かとう男女交流パーティ」を開催してきましたが、把握しているだけで4組がゴールインしています。今後も、昨年の12月にやしろショッピングパークBioに開設された兵庫県の「北播磨出会いサポートセンター」などと連携しながら、交流パーティによる男女の出会いの場を提供し、市内での結婚、居住、出産等による人口の増加を目指していきます。

 児童虐待対策では、要保護児童対策地域協議会や家庭児童相談員・心理相談員によるきめ細かな支援とあわせて家庭児童相談室を充実するとともに、保健師などの訪問による「こんにちは赤ちゃん事業」や「育児支援家庭訪問事業」を継続実施し、子育てに関する様々な不安や悩みの解消に努め、児童虐待の未然防止に取り組んでいきます。

 子どもの疾病予防の充実として、各種相談や健康診査などの実施のほか、細菌性髄膜炎予防の「ヒブワクチン」及び「小児用肺炎球菌ワクチン」の任意予防接種を全額助成するとともに、中学1年生から高校1年生に相当する年齢の女子を対象にした「子宮頸がん予防ワクチン接種」についても一部助成します。

 健康増進の取組では、内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)に着目した特定基本健診と各種がん検診を、「まちぐるみ総合健診」として、引き続き、同時に実施します。

 また、高齢者の季節性インフルエンザの発病などを予防するため、予防接種費用の自己負担額を無料にするとともに、高齢者は肺炎を併発した場合、重症化しやすいことから、腎機能や呼吸器機能、免疫機能に障がいのある方を対象に、肺炎球菌の予防接種費用を全額助成します。

 高齢者福祉・介護保険事業では特に、介護予防事業の利用者の拡大や包括的支援事業に対する相談業務を充実します。

 そして、認知症対策では、軽度認知障害を正確に把握し、早期に治療することで治療効果が向上するといわれていることから、物忘れ相談プログラムを導入・活用し、介護予防や認知症ケアの推進に努めます。

 また、市民が高齢期を健やかで、自立し、安心して暮らせるために、「高齢者保健福祉計画」及び「第5期介護保険事業計画」を策定します。

 障害者福祉では、「障害者基本計画」及び「障害福祉計画」の改定をはじめ、発達障害児の早期発見、早期支援や、支援専門員及び「障害者生活支援センター」の相談支援体制のレベル向上、療育事業の強化に努めます。

 また、障害者自立支援法による居宅介護や短期入所、施設入所支援、就労支援、障害児タイムケアなどの日中一時支援や、移動支援などのサービスを実施するとともに、訪問介護事業では、移動支援の充実や利用者の状況に応じた休日・夜間の在宅介護など必要なホームヘルパーの派遣に努めます。

 安心して暮らせる生活のベースラインとなる医療保険について、国民健康保険事業では、過去15年間の健康診断に基づく「医療と保健の現状分析」と昨年5月の国民健康保険被保険者医療レセプトの結果に基づいて、生活習慣病から心臓病や糖尿病への重症化を予防するために、その予備軍となる対象者を訪問指導します。

 また、がん検診の受診促進のため、まちぐるみ総合健診での40歳以上の国保被保険者の「胃がん検診」及び「大腸がん検診」の個人負担額を無料化し、疾病の予防により医療費の抑制を目指します。

 加東市民病院では平成19年度から、CT装置やMRI装置、電子カルテシステムなどの高度医療機器を計画的に導入し、医療サービスの充実に努めています。

 そして、平成18年から休診となっていた小児科は今年の1月から、小児科医の着任により診療を再開することができました。良質で安心な小児医療を提供し、地域の小児医療の確保・充実に貢献していきます。

ゆたかさ 「産業基盤・地域活力」の推進プラン

 次に、第4のプラン“ゆたかさ"「産業基盤・地域活力」の推進プランです。

 農業振興では、国における農業政策の動向を的確に把握しながら、戸別所得補償対策の本格実施に伴う食料自給力の向上や米の生産調整の推進をはじめ、集落営農組織や認定農業者への支援、営農関係団体や担い手の育成に努めるとともに、地域農産物の地産地消を進めるなど、活力ある地域農業を目指します。

 また、近年、農作物被害が増加している有害鳥獣対策は、平成23年度の国の鳥獣被害緊急総合対策の活用とあわせて取り組んでいきます。

 次に、地域住民による緑化や美化活動は、人の心を和ませ豊かにし、明日への活力を生み出してくれます。今後も、各地区への花苗の配布や花と緑の協会を支援するとともに、「市の花 コスモス」や「市の木 さくら」の活用も含めて、花と緑が豊かで住みよい生活環境づくりを進めます。

 農業基盤の整備では、危険ため池などの改修に引き続き取り組み、防災機能の充実に努めるほか、農道や用排水路の整備、維持補修を計画的に支援していきます。

 一方、農村環境保全活動の一環として、手付かずの自然が数多く残る「ため池」の歴史と動植物の生態系を調査し、地域で貴重なため池を守る意識を醸成するとともに、子どもたちの環境学習教材として活用できる「加東ため池集」を作成します。

 また、土地の実態を正確に把握するための「地籍調査」は、現地一筆地調査に着手します。

 企業誘致対策では、非常に厳しい経済情勢の中にあって、昨年は、ひょうご東条ニュータウンインターパークに1社の企業進出があり合計16社に、滝野工業団地は全区画の分譲が完了しました。市内の4つの工業団地は、2月末現在で42社の操業となっています。

 また、「平成21年工業統計」速報値では、加東市の製造品出荷額等は3,267億26万円となり北播磨地域で第1位、県内でも第10位にランクされ、元気な加東を表している指標といえます。この元気の源は、地場産業をはじめ工業団地への企業進出などの活力による地域経済の活性化の賜物と捉えています。

 引き続き、地場産業をはじめ地域経済の活性化に努めながら、ひょうご東条ニュータウンインターパークの残り15区画への企業誘致を中心に、兵庫県及び都市再生機構などと連携しながら進めていきます。

 さらに、今年度データベース化した市内の空き用地等への企業誘致についても積極的に取り組んでいきます。

 雇用対策では、就労支援室を核に、人材を求める側(企業等)と求められる側(労働者等)との調整機能を強化するなど、雇用体制の確立に向けて取り組みます。

 観光振興は、観光事業者から提案いただいた「加東市こだわり観光ルート」のPRやツアー等の実施、市民の参画と協働により発足した「加東市観光ボランティアの会」への活動支援、そして、鴨川ダムを起点として市内を潤す「東条川疎水」の美しい景観や豊かな自然を新たな観光資源として見直すとともに、環境学習に役立てるなど利活用に向けた研究、また、ミネラル水「鴨川清水」や加東伝の助ストラップなどに続く新たな地域特産品の研究や商品化を、市観光協会と連携しながら実施します。

 また、先ほど紹介しましたNHK神戸放送局の人気番組「新兵庫史を歩く」は、第20回記念番組の収録が5月21日に加東市で行われます。さらに、全国規模の第23回忠臣蔵サミットはみのりの秋に、全国の忠臣蔵ゆかりの市区町に参集いただき、地域づくりや観光振興などについて意見を交換します。

 その他、多くのイベントを実施し、加東市の魅力を広く全国に発信することにより、市の知名度をより一層高めていきます。

うるおい 「都市基盤・情報・道路交通」の推進プラン

 次に、第5のプラン“うるおい"「都市基盤・情報・道路交通」の推進プランです。

 まず、調整区域のまちづくりでは、平成21年度指定の地縁者住宅区域に加えて、既存事業所の区域拡張やJR社町駅周辺の区域を公共交通機関を活用し、地域の活性化と土地利用を進める特別指定区域として、新たに指定します。

 都市の拠点づくりとして進めている南山土地区画整理事業では、区域内2番目の近隣公園の整備を、平成23年度の完成を目指して工事を進めていきます。

 また、天神東掎鹿谷土地区画整理事業は、県が実施する区域内の幹線道路工事にあわせた整地工事や道路工事、下水道工事を行うなど、事業の早期完成を目指して引き続き、組合施行事業を支援します。

 ユニバーサル社会づくり事業では、社市街地で引き続き歩行者・自動車共存化整備に取り組み、誰もが利用しやすい安全で利便性の高い整備を進めます。

 国道372号社バイパスの開通により、JR社町駅周辺へのアクセスが高まる中、パーク&ライドによるJR利用者が増加することが予測されるため、JRの活性化と利用者の利便性を高める駐車場の拡充に向けて、用地を取得します。

 市営住宅は、間もなく高岡団地の建替事業が完了します。そして、全団地に火災警報器を設置しました。引き続き、安全で住み良い環境づくりに努めるとともに、適切に維持管理していきます。

 道路整備では、暮らしの利便性を高め、快適、安全に配慮した道路環境づくりに向けて、国の交付金事業を活用しながら、基幹道路や橋梁の整備をはじめ、市民生活に密着した道路改良事業を進めていきます。

 あわせて、道路を適正に維持管理するとともに、橋梁の長寿命化計画策定に向けて、橋梁点検を実施します。

 ケーブルテレビでは、来たる7月24日のアナログ放送の終了に対応するため、加入者のデジタル化を進めてきました。今後も、自主放送番組や防災・防犯に関する情報発信の充実とともに、地域コミュニケーションの活性化や地域の一体感を具現化する有効な手段として、積極的に活用していきます。

 地域公共交通への取組では、「加東市地域公共交通会議」の提言に基づいて、市が運営主体となるコミュニティバスの運行ではなく、低費用で有効なサービス提供が可能な自主運行バスやデマンド交通の調査・研究、そして、アンケートを実施してきました。

 平成23年度では、自主運行バスの導入を希望する地域等について、早期の運行に向けた準備を進めていきます。

 水道事業は、運転管理業務と料金収納等業務の体制を維持しつつ、浄水場や管路施設を計画的に更新し、上水道の安定供給に努めます。また、下水道事業は、効率的な施設の維持管理に努め、市民の環境衛生の向上に努めます。

 そして、水道事業と下水道事業の料金改定については、兵庫県企業庁で県水の値下げが計画されていること、また、下水道事業は一般会計からの基準外の繰入により経営を維持していることなどを踏まえ、両事業の中・長期的な経営状況を見極めて、適正な料金、使用料水準を定めていきます。

ささえあい「人権・コミュニティ・行政経営」の推進プラン

 次に、第6のプラン“ささえあい"「人権・コミュニティ・行政経営」の推進プランです。

 加東市は、平成21年度に「加東市男女共同参画プラン」を策定し、平成22年度、市民一人ひとりの人権が尊重される自由で平等な社会づくりに向けて、「加東市人権尊重のまちづくり基本計画」を策定しました。

 そして、計画に基づいて、同和問題をはじめ様々な人権課題に関するテーマの講演会や研修会等を実施します。

 また、加東市人権・同和教育研究協議会との連携を強化し、市内外の人材や組織とのネットワークを広げるとともに、地区学習会などを実施していきます。

 さらに、人権の視点から地域の課題を積極的に捉え、包括的に対応し、誰もが気軽に集え相談できる体制づくりを進めていきます。

 加東市夏まつりは平成19年度から、旧町単位で実施していた夏まつりを統合・一本化し、東条湖周辺で開催してきました。

 平成23年度での開催が節目の第5回となることから、抜本的な改革も視野に入れながら、実行委員会の意見を取りまとめた上で、盛大に開催したいと考えています。

 平成23年度で第3回目となる「加東市秋のフェスティバル」は引き続き、文化と産業が一体となって加東の魅力を発信します。そして、加東市を象徴する継続性のあるイベントとして充実します。

 市のマスコットキャラクター「加東伝の助」は、市民の皆さまに親しまれ、また、愛される存在となっています。今後も、加東の良いところを市内外に伝えていくため、デザインの使用をはじめ着ぐるみを、様々な団体にあらゆる機会を通じて活用いただく方策などを検討し、推進します。

 また、彦根市で開催される「ゆるキャラまつり」には引き続き参加し、大いに「加東市」をPRしたいと今から胸をふくらませています。

 住民自治への取組は、平成22年に市内すべての小・中学校区で住民自治組織が立ち上がり、活発な活動が行われています。

 その中で、兵庫県の県民交流広場事業の補助金助成期間が終了する自治組織については活動状況を踏まえ、市の「まちづくり活動費補助金」を増額するとともに、引き続き地域の自主的・自立的な活動による地域の活性化やまちづくりへの参画を支援します。

 そして、まちづくり活動費補助金の応募活動に係る活動補助は、積極的な活動を広くPRするため、活動発表の場を設け、より幅広い活用を促します。

 また、来たる4月16日に開催する市制施行5周年「記念式典」では功労者表彰をはじめ、市民の皆さまが、これまで以上にふるさとへの愛着を持ち、そして、明るく住みよいまちづくりを進めていくための心のよりどころとなる「加東市民憲章」の披露を予定しています。

 さらに、加東市制5周年記念事業として、ケーブルテレビでオリジナルドラマを制作します。原作、スタッフ、キャストなどは市民の皆さまに務めていただき、加東市に相応しい人の優しさや温もりが感じられる手づくりのドラマとして、12月には放送したいと考えています。

 また、「兵庫教育大学のあるまち」の優位性を活かすために、兵庫教育大学連携強化事業として「加東市・兵庫教育大学 地域コンソーシアム」を設立し、教育のみならず、産業の振興、健康づくり、子育て支援等、まちづくりの幅広い分野での異業種間の連携交流を深めるための推進体制を構築します。

 そして、平成23年度は、設立記念フォーラムの開催をはじめ、「教育子午線のあるまち 加東」のモニュメント制作や子育て支援講座などの連携講座の実施を計画しています。

 さらに、東京近郊エリアで加東市とゆかりのある方々に参集願い、加東市発展のために様々な情報を交換し提供いただく、「関東かとう応援団」を設立します。

 最後に、行政経営の分野ですが、まず、主に合併時に整備した住民基本台帳システムや税システムなどの基幹業務系システムと、財務会計や人事給与システムなどの内部情報系システムの更新時期となりました。市の業務全般に渡るシステム更新となるため、関係部署によるプロジェクト・チームを編成し、平成24年度当初の運用を目指して、取り組んでいきます。

 また、平成24年度からの外国人登録処理の変更に伴う事前準備と、現在、4種類ある印鑑登録カードを統一し、窓口サービスの充実に努めます。

 第2次行財政改革の具体的な取組ですが、市職員の定員管理では、第1次改革において合併前と比較して数値目標を大幅に上回る94人の職員削減を実現しましたが、一方で、職員の年齢構成に偏りがある状況になっています。そのため、民間企業等職務経験者の採用などにより年齢層の偏在化を解消しながら、市民サービスの低下を招かないように、限られた人数で少数精鋭の組織集団としての自覚を持って、市民サービスを迅速かつ的確に提供していきます。

 また、市の主要な財源である市税は、納付機会の拡大と利便性向上のために、コンビニ収納を軽自動車税以外の税目にも拡大することとして、平成24年度からの導入に向けて電算システムを改修します。

 さらに、収納率の向上、滞納対策では、市税だけでなく市のすべての債権(徴収金)について、それぞれの担当部署で厳正に対処していきますが、悪質な事案については市としての統一した対応が効率的かつ効果的であることから、市の債権回収を専門的に取り扱う部署の設置など、より良い組織体制を検討します。

 また、地方行革新指針で推進するとされた公会計の財務書類4表については引き続き作成・公表し、目標とする基準モデルに向けて段階的に整備していくとともに、行政経営の資料としての活用を検討します。

 入札制度は、昨年後半に最低制限価格を見直し競争性を高める制度にするとともに、工事等の入札においても市内業者の参加を促進する入札条件を設定するなど、受注機会の拡大に努めています。そして、建設企業の資金調達の円滑化を目的とした「地域建設業経営強化融資制度」の導入に向けて取り組んでいきます。

 また、道路台帳をはじめ各種公有財産台帳は、旧町単位のままで統合化が課題となっていましたが、市内地形図のデジタル化が完了したことから、多種多様な公有財産の情報をデジタルデータ化し、台帳等の管理や法規制(都市計画区域、農振区域)の事務を地図情報上で行うなど、効率的に事務を進めるために地理情報システム(GIS)を構築します。

 加えて、整備に当っては、事務の効率化に限らず、インターネット上に防災情報や市民に有益な情報をわかりやすく公開・提供できるシステムとします。

 そして、市総合計画の前期基本計画は、策定から3か年が経過し残すところ2か年となります。平成25年度からの後期基本計画は、マニフェストの反映など、より戦略的な計画にするとともに、市民など外部からの進行管理が求められると予想されることから、前期計画に掲げている政策・施策の進捗状況の総括に着手し、後期計画にスムーズに移行できるよう取り組んでいきます。

 以上が、平成23年度における私のまちづくりの所信と主要施策の概要です。その予算規模は、

一般会計  17,145,000千円
特別会計  7,174,717千円
企業会計  8,150,965千円
合計  32,470,682千円

となっています。

おわりに

 今後の加東市のまちづくりにおいては、合併特例債の活用期限や地方交付税の財政優遇措置での基準となる平成27年度が一つの大きな節目、ターニングポイントになると捉えています。それまでの期間で財政規律を整えるとともに、市の現状や市民ニーズを十分踏まえて、「山よし!技よし!文化よし! 夢がきらめく☆元気なまち 加東」を実現するための成長戦略を描いていかなければなりません。

 そのためのスタートの年度として、合併から5か年を経過する加東市は、「よちよち歩きのまちから、若々しい自立したまちへ」、大きく飛躍する一年にしたいと考えています。

 議員各位におかれましては、格別のご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげますとともに、あわせて、上程している諸議案を慎重審議いただき、適切なご決定を賜りますようお願い申しあげます。

この記事に関するお問い合わせ先

加東市 まちづくり政策部 企画政策課
〒673-1493
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電話番号:0795-43-0389
ファックス:0795-42-5055
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