シカの被害防止について

更新日:2021年01月14日

兵庫県森林動物研究センター(兵庫ワイルドライフモノグラフ11号)

生態

食性

草食性の動物で、ほとんどの植物の葉や樹皮、根や果実も食べます。環境によって食べるものを変えることができます。人里にくると、水稲、野菜、イモ類、マメ類、雑穀、果樹など多くの農作物を食べます。

行動

昼夜を問わず2時間~3時間採食し、2時間~4時間反すうをするリズムを繰り返します。

メスは母系的な群れで、オスは単独又はオスだけの群れで行動します。

助走をせず1.5メートル以上の障害物を跳び越えることができますが、上を跳び越えるよりも隙間や下をくぐり抜けることが多い傾向にあります。

繁殖

年1回の繁殖で、交尾期は10月~11月頃、出産期は5月~6月頃。

満2歳で初産を迎え、毎年1頭出産します。野生個体の寿命は10歳~12歳程度です。

特徴

警戒心が強く、人影を見るとすぐに逃げ出しますが、追ってこないとわかると逃げ出さない図太さを併せ持っています。

昼間は森林域にいて体を休め、田畑には夜間に出てくることが多い傾向にありますが、人慣れすると昼間でも出没します。

危険を感じると警戒音を発して仲間に危険を知らせます。

かかとが丈夫ではないため、網などのかかとを傷つけるものを嫌います。

被害の対策方法

無意識の餌付けをなくす

野菜くずを畑近くに捨てることは、シカにおいしい餌場があることを教えているようなものです。シカに学習されないように、野菜くずは埋めるなどして適切に処理しましょう。

稲刈り後に生えてくるひこばえも、シカにとってはおいしいエサになります。早生品種であれば、稲刈り直後の9月~10月上旬と12月下旬の2回、中晩生品種であれば12月に1回耕起すると、ひこばえの発生を防ぐことができます。

柵で囲って侵入防止

柵には、個人の田畑を囲う「個別柵」と、集落全体を囲う「集落防護柵」があります。個別柵は、設置や見回り、点検修理などが比較的かんたんですが、それぞれの農地を囲うので経費がかさみます。集落防護柵は、うまく設置すると大きな効果を発揮しますが、地形によっては張り方に工夫がいる、見回りや点検修理に労力がかかるなどの問題があります。立地条件や費用、効果などを考えて選びましょう。

兵庫県森林動物研究センター(ニホンジカの被害防止抜粋)

柵の支援

地域ぐるみで取り組む侵入防止柵の設置に対して支援します。

鳥獣被害防止総合対策事業

市が資材を提供し、地区の皆さまで設置及び維持管理をしていただく事業です。対象は山際に連続する金網柵の設置で、国庫補助を受けて行います。

事業については、農林水産省のページをご参照ください。

農作物等獣害防護対策事業

地域ぐるみで設置する防護柵(電気柵・ワイヤーメッシュ柵等)の資材購入費に対する補助を行います。

詳しくは、農作物等獣害防護対策事業のページをご覧ください。

 

参考

鳥獣対策基盤支援委員会,平成26年,『野生鳥獣被害防止マニュアル』

兵庫県森林動物研究センター,平成30年,『ニホンジカの被害防止』

兵庫県森林動物研究センター,平成31年,『兵庫ワイルドモノグラフ11号』

株式会社農文協プロダクション,平成29年,『みんなで防ぐ!鳥獣被害対策マニュアル』

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加東市 産業振興部 農地整備課
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