百日咳に注意

更新日:2025年05月26日

全国的に百日咳が流行しています

百日咳とは?

 百日咳とは、Bordetella pertussis菌によって引き起こされる非常に感染力の強い呼吸器感染症です。

 名前の由来は「強い咳が長期間続くこと」にあり、百日ほど咳が治まらないことがあるといわれています。

 乳幼児を中心に、吸気性の狭窄音や発作性の間欠的に連続する咳嗽、嘔吐を伴う長期の咳嗽が典型的な症状でした。乳幼児期の主要な死因の一つで、年間数万人の患者と、数千人の死亡者が出ることもありましたが、ワクチンの導入により患者数が激減しました。

 その後も、ワクチンによる免疫が5~10年で減衰するため、思春期~成人の再感染による局地的流行が度々起こっています。

 大人から乳幼児に感染すると、重篤な症状となりうるため軽視できません。また、高齢者への感染もハイリスクであり、入院率や死亡率が高くなります。

百日咳の症状

 百日咳の厄介な点は、半数程度が無症状で発見が困難なことです。

百日咳の症状
期間 症状

カタル期(初期)

1~2週間程度

  • 全体の倦怠感、鼻水、軽度の咳などの非特異的な症状が特徴
  • 軽度の発熱が見られる場合もある
  • 特異的な特徴として、流涙、結膜充血が挙げられる

発作期

2~3か月程度

  • 1回の呼気中に起こる一連の激しい咳嗽
  • 激しい吸気により「ヒューヒュー」という音が発生
  • 咳嗽後に失神や嘔吐が起こることもある
  • 咳の発作と発作の間は、症状がほとんどない

回復期

1~2週間程度

  • 咳の頻度と重症度が徐々に減少

 

百日咳の検査と治療

 小児の場合は特徴的な咳発作から診断が可能ですが、成人の場合は症状が軽いことも多く診断が困難です。

 当院での百日咳の確定診断としては、血液検査、百日咳菌の遺伝子検査(百日咳菌LAMP法)、抗原検査を行います。年齢、発症日数、ワクチンの接種歴などの情報をもとに、上記の中から適切な検査を選択して行います。

 治療は、百日咳菌に対する抗菌薬と咳の症状に対する治療が行われます。

予防方法

 地域の流行状況にアンテナを張り、感染対策を行うことや、ワクチン接種、耐性菌を生まないように適正ではない抗生剤の服用や自己判断による中断を避けることが予防につながります。

 長引く咳の方は、乳児や妊婦の方が近くにいないか注意して行動することも重要です。

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