明治館(旧加東郡公会堂)
明治館(旧加東郡公会堂)について
読み方(ふりがな)
めいじかん(きゅうかとうぐんこうかいどう)
員数
1棟
指定内容
建造物
指定記号
所有者
加東市
所在地
社777
指定年月日
2021年(令和3年)3月26日
規模または寸法
桁行10間梁間6間の平屋建物、屋根入母屋造桟瓦葺、
桁行23.64メートル、梁間17.73メートル
制作年代
大正元年(1912)頃
公開・非公開について
公開しています。
その他
本物件は、かつて加東郡公会堂として使用されたもので、明治44年(1911)に着工し大正元年(1912)に竣工したと考えられます。その後、大正12年(1923)の郡制廃止に伴い地元町に譲渡され、のちに名称を「明治館」に変更し現在は加東市の社会教育施設として管理・運営しています。
建物の形式・構造は、入母屋造桟瓦葺の主体部に下屋を四周に廻らせ廊下としています。また、正面には切妻造本瓦葺の玄関部が取り付き、さらに唐破風の車寄せが突出します。主体部屋根正面には千鳥破風が張り出し、これと玄関部の屋根、下屋屋根とが一体的に組み合い接続されています。
外観の意匠は、各柱上部に大斗肘木や舟肘木などがみられるほか、玄関車寄せの角柱に古代寺院建築にみられる胴張りが確認できます。さらに、大仏様風の木鼻や、鎌倉時代風の板蟇股を採用するなど、古代から中世にかけての異なる時代の様式を折衷していることがわかります。
内観は、大広間がキングポストトラスの小屋組によって無柱の大空間となっており、天井は折上格天井で中央にシャンデリアを下げています。主体部を巡る廊下は、柱を2間ごとに海老虹梁をつなぎ、正面及び西側面の廊下には高欄が設置されています。
本物件は、加東市域で現存する最古の近代公共建築物であり、構造・意匠として異なる時代の日本建築の様式を折衷させ、また、西洋建築の構造技術の導入によって初めて可能となる大広間を特徴としており、まさに近代和風建築の典型例といえます。
なお、本物件の建設経緯や設計者は伝わっていませんが、前年に竣工した中崎公会堂(旧明石郡公会堂)とは平面・意匠・構造において酷似しており、何らかの関連性がうかがえます。
地図情報
この記事に関するお問い合わせ先
加東市 教育委員会 教育振興部 生涯学習課 文化財係
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更新日:2021年09月21日