岩根正市長所信表明(令和4年5月16日)

更新日:2022年05月16日

第106回加東市議会の開会にあたりまして、ごあいさつをさせていただきます。

少しお時間をいただきますが、市長就任後、初めての議会でございますので、「私の所信」をあわせて述べさせていただきます。

 

私は、「この加東市を、一番住みやすい街にしたい」と思っております。

加東市は、「都市的な利便性」と「古き良き日本の良さ」が混在しており、多少不便なところもありますが、「心地よい住みよさ」がある街でございます。

この「程良い心地よさ」「住みよさ」を、もう少し良くして、次の世代に、きちんと引き継ぐことが、私たちの「大切な責務」である、と考えております。

 

そのため、私は、「夢ある加東」の実現をめざしてまいります。

「夢ある加東」とは、「市民一人一人が、自分なりの夢を持つ街」ということでございます。

夢を持てば、将来に希望や期待が生まれます。これが、一番大切なことだと思います。

「今日、満足に過ごしながら、明日にはもっと楽しくなる、もっと良くなる、という期待」。そんな加東にしたいという思いでございます。

 

すべからく行政は、こうした目標に取り組んできたわけですが、「それを、満足に実現できた街は、歴史上ほとんどないのではないか」と思えるほど、難しい目標でもあると考えております。それでも、その目標に挑戦をしてまいります。

 

そのために、1つには、子どもたちの個性を伸ばし、2つには、高齢者には長寿を楽しんでいただき、3つには、子育て世代に安心して子育てできる環境を整え、そして、4つには、地域の賑わいを生み出す、そういう取組を続けてまいります。

 

まずは、1つ目の子どもたちの夢でございます。

子どもたちは、何事にもどんどん伸びます。伸び盛りです。得意なものを伸ばせば、伸ばすほど、自信もつきます。また、将来の選択の幅も広がります。

そこで、小中一貫教育を進める中で、子どもたちが自信をきちんと持てる、そういう「個性を伸ばす教育」の環境を、しっかりと整えてまいります。

 

また、少し躓いている子どもたちには、リモート学習などを活用して、学校や友達、先生方との距離を縮める努力をしております。こうした取組をしっかり続けて、「一人も取りこぼさない教育」の環境を整えてまいります。

 

こうした教育を進めるには、「先生」が大事です。先生方の負担を軽くし、子どもたち一人一人に向き合える時間ができる環境づくりに努めます。

 

今、学校現場では、小中一貫教育へ移行する中で、新たな体制づくりや教育の進め方などにご苦労をされている最中で、負担が増しているとは思います。

しかし、折角、新しく、小中一貫教育に取り組んでいるわけですので、

「加東だからこその教育」の実現に、関係者一体となって進んでいきたいと望んでいるところでございます。

そして、私は、20年後には、「この加東市を、人材輩出の地にしたい!!」。

本気でそう思っております。当然、私の任期中には実現はいたしませんが、そのための基礎を固め、レールをしっかりと敷きたいと考えております。

 

次に、高齢者の夢です。

「夢はほぼ実現したし、この年になって、いまさら夢なんて」という方もおられるかもしれません。でも、夢に歳は関係ありません。私は、そういう方にも夢を持ってほしい。そして、夢を持って、長寿を楽しんでいただきたいと思っております。

 

その長寿を楽しんでいただくためには、何より「健康」が大事です。

加東市では、寿命と、健康寿命の間に、男性で1.5歳、女性で3歳の差があります。この差は、日常生活に支障がでる可能性があるという期間でもあります。

私は、この健康寿命を延ばすことで、この差を縮めたいと考えております。

 

そのために、まちかど体操やグランドゴルフなどの日常の運動の機会を増やし、もち麦などの食品などを使って、健康づくりを進めてまいります。

また、いきがいづくりにもつながるコミュニティ活動の支援もしてまいります。

そして、高齢者のみなさんに、健康で、長寿を楽しんでいただきたいと思います。

 

興味のある事例があります。長野県佐久地方です。戦後、2人のお医者さんが、住民の健康指導、食事改善をすすめられ、数十年続けられた結果、健康な高齢者が増える大きな成果を挙げたと聞きました。また、それと関係は不明ですが、長野県は、最近、沖縄県を抜いて、長寿日本一となりました。

私はこのように、健康づくりは、「時間がかかっても進めるべきもの」であると考えております。

何十年か後には、寿命と健康寿命が一致した加東市でありたいと願っているところでございます。

 

次に、子育て世代の夢。一番夢を持っていただきたい世代です。

そのため、高校生までの医療費の無料化、赤ちゃん用品の毎月配達をはじめ、子育て支援にしっかり取り組んでまいります。

また、「すべての子どもが健やかに育つ環境づくり」「すべての親が安心して子育てできる街」の実現をめざし、きめ細やかな支援の充実を、さらに図ってまいります。そして、「子育てするなら、加東市で」と思っていただけるような取組をしっかりと続けてまいります。

 

4つ目、地域の夢。

加東市は、「内陸部で唯一」人口が増えておりますが、やがてはこの加東市も、人口が減少すると予測をされております。人口が減れば、地域の賑わいが減り、活力も落ちます。そして、徐々に、地域の夢が失われてまいります。

だからこそ、今から、地域の賑わいを創出する取組が必要であると考えております。

 

そこで、定住人口が減る代わりに、交流人口を増やして、賑わいを補ってまいります。

このため、臨海都市部から1時間という優位性を活かして、誘客を図ってまいります。

例えば「アート」や「自転車」のテーマ性を持ち、3DやARなどの新しい技術も導入しながら、誘客を図り、市内外を周遊してもらうようにいたします。

既に3Dアート作品やAR義経伝説作品を市内各所に配置しておりますほか、県立播磨中央公園では、自転車スポーツの一大拠点にすべく、リニューアルが進んでおります。また、来年度から、JR全社が実施されます「ディスティネーション・キャンペーン」もあります。コロナ禍で押さえられていた情報発信にも、この機会を通じて、しっかり取り組んでまいります。

 

かつて「どこにあるかわからない加東市 でも評判は良い」と評されましたが、これからは、「どこにあるか」ではなく、「あの加東市」と言われるようにしていきたいと思っております。

 

あわせて、地域産業の振興も必要です。

農業の経営改善や商業振興など、地域産業の活性化に引き続き取り組んでまいります。その中で例えば、山田錦。加東市産の山田錦が無くなれば、日本で一番良いお酒が無くなります。これでは、困ります。しっかりと生産振興も図ってまいります。

 

また、燃料高騰に対する事業支援対策、コロナ後の地域経済の回復に向けた商店街支援対策など喫緊の対応を検討するとともに、将来に向け、新しい工業団地の創出についても検討を続けてまいります。

 

そのほか、福祉対策、新型コロナウイルス感染症対策、防災・減災対策、社会基盤整備など、すべての市政分野において、適切かつ迅速な政策対応に努めてまいります。

 

こうした市政運営にあたりましては、政策の連続性にも鑑み、基本的には、これまでの安田・山本両市長の政策路線を踏襲しながら、私なりの工夫も織り込んでまいりたいと考えております。

 

もちろん、堅実な政策運営を基本といたしますが、観光分野など効果の予測が難しい政策については、これまで行政があまり使ってこなかった手法なども幅広に検討するなど、少し挑戦的な政策も試してみたいと考えております。

ぜひ、議員各位のご理解をいただければと思っておるところでございます。

 

その際、財政運営では、合併時には厳しい状況ではございましたが、これまでの努力の結果、令和2年度の将来負担比率が、県内で一番低いなど、健全度を増しております。しかしながら、小中一貫校2校の校舎建設など大型投資も続きますので、国・県の補助金の獲得などを含め、引き続き健全な運営に努めてまいります。

 

余談ではございますが、私は、3代目の市長となります。

江戸時代、3代目、徳川家光の時代に、各種制度が整い、その後の200年以上の発展と安寧を導きました。

 

一方で、父から諫(いさ)められたことがあります。

初代が苦労して家業を興し、その苦労を見てきた2代目が堅実に守り、そして、その苦労を知らない3代目が、放蕩の末、身代を潰すと。

 

放蕩息子では無く、先々の繁栄を築ける3代目となりますよう、常に心がけてまいります。

 

最後に、もう一つ、私の思いを申し上げます。

「この加東市に、新しい種を蒔きたい

 種があるのなら、芽を出させたい

 芽が出ているのならば、若木に育てたい

 若木があるのならば、その成長を静かに見守りたい」

 

これは、副市長就任の際にもこの場でお話しをさせていただいたことでございますが、今、市長として、決意を新たに、市政運営にしっかりと取り組んでまいります。

そして、議員のみなさん、市民のみなさんと一緒に、「夢ある加東」の実現に取り組んでまいります。

今後とも、よろしくご指導、ご支援賜りますよう、お願いをいたします。

みなさん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

この記事に関するお問い合わせ先

加東市 まちづくり政策部 企画政策課 行政経営係
〒673-1493
兵庫県加東市社50番地 庁舎4階
電話番号:0795-43-0388
ファックス:0795-42-5055
メールフォームによるお問い合わせ